【プジョー3008GTプラグインハイブリッド4でゆく1400km vol.2】

実は数値以上にコンパクト?プジョー3008のボディは街乗りでも狭い道でも扱いやすかった!PHEVの走りと4WDの安心感も◯

輸入車に全く縁もゆかりもない筆者が、今回はプジョー3008GTプラグインハイブリッド4でロングツーリングを敢行した!その距離およそ1400km……前回の高速インプレッションに続き、今回は一般道での印象をレポート!
REPORT:井元貴幸(IMOTO Takayuki) CAPTION:MotorFan.jp PHOTO:MotorFan.jp
高速道路のインプレッションはこちら。

コンパクト以上ミドル未満のボディは見切りが良く車両間隔を掴みやすい

プジョー3008のボディサイズは、全長4450mm×全幅1840mm×全高1630mmと決してコンパクトなモデルではないが、国産のミドルクラスSUVと比較すると扱いやすいサイズだと感じる。

全長4450mm×全幅1840mm×全高1630mmというボディサイズは国産ミドルクラスSUVに比べるとやや小さく、コンパクトSUVよりは割と大きめというサイズ感。
ホイールベースは2675mmあり、こちらはほぼ国産ミドルクラスSUVと同じくらい。全長に対してロングホイールベースな設定がヨーロッパ車的だ。
1630mmという全高もコンパクト以上ミドル未満。最低地上高175mmも200mm級の本格オフロード走行を視野に入れたモデルに比べると乗用車的だ。

というのも運転席からの見切りも良く、ボンネットのエッジも見やすいため狭い道でも運転しやすい印象なのだ。

左側はガードレールも無く、一歩間違えば滑落するよな道路も走行。
ギリギリすれ違えるような道路幅で、しかもこちらの左側にはガードレールが無いという状況もクリアできた。

とはいえ、ドライバーの体格によってはどうしても左側への幅寄せに不安を感じる人もいるだろう。3008には左のドアミラーに内蔵されたカメラの映像をルームミラー内に映し出す視界拡張が装備されており、狭い道での行き違いなどで左の幅寄せをする際に威力を発揮する。

クルマの四隅が把握しやすく初めて走る細い路地でもボディサイズほどには苦労することはなかった。

また、小径ステアリングとステアリングの上面から見るメーターパネル「i-Cockpit」など、運転席まわりが非常にすっきりしているため、視界からの情報が多すぎず運転に集中できるレイアウトとなっている点も好印象だ。

見切りの良いコックピットまわり。小径ステアリングの上から見るメーターは視認性に優れ、各種インターフェースもよく整理されておりドライビングに集中しやすいプジョー自慢の「i-Cockpit」。

また、最小回転半径は5.6mと一般的なスペックだが、後方のグラスエリアが少し小さく、バックモニターを駆使しないと少し駐車に不安があるユーザーもいるかもしれない。

タイヤは225/55R18とこのクラスでは常識的なサイズ。取材車両はミシュラン・プライマシー4を装着していた。最小回転半径5.6mはミドルクラスSUVとしては、ハリアーPHEVの5.7mよりは小さいがCX-5やアウトランダーの5.5mと比べると気持ち大きい。

ただし、こちらもパークアシスト機能を使用すれば自動的に駐車スペースを判断し、ステアリング操作を行なってくれるので、駐車が苦手なユーザーにも安心して日常使いできるだろう。

パークアシストで駐車位置を検知中。
駐車位置を検知。自動駐車をスタートする。
パークアシストによる駐車中。ステアリングが自動的に動く。

短距離やちょい乗りはEV走行&長距離ドライブはエンジンで

富山市街をゆくプジョー3008GTプラグインハイブリッド4。

PHEVは、高速走行編でゆとりのある走りを披露してくれた3008だが、なんといっても街乗り領域で威力を発揮してくれる。

廻船問屋が栄えた岩瀬(富山県)の古い町並みでは、静かなEV走行が向いている。早朝や夜間など、エンジン音も憚られるような時間帯でも、EV走行ができれば安心だ。

基本的には自宅や職場で充電が可能なユーザーであれば、3kw充電で5時間程度、6kwで2.5時間程度あればフル充電が可能なため、駐車中に充電する環境さえあればEV走行のみで64km走行できることから、普段の買い物や通勤など、1日10km程度の使用であれば平日は一切ガソリンを使用せず走行できる。

充電は200V普通充電で、満充電まで3kWなら5時間、6kWなら2.5時間。
充電ケーブルはラゲッジルーム下のサブトランクに収納される。
ラゲッジルームフロア下のサブトランクを外すとバッテリーが収納されている。バッテリーはリチウムイオンで13.2kWhの容量は国産車ではプリウスPHVの13.6kWhに比較的近い。カタログ値で64kmのEV航続距離も1.9t近い車重を考えれば上々のスペックと言えるだろう。

そして週末は、バッテリーとガソリンを使用して長距離移動といった使い方がベストといえるだろう。またPHEVなので、万が一の充電忘れや急な長距離移動があったとしても、ガソリンのみで走行が可能なので普段使いでの不安は全くない。この辺りはBEVよりも実用的で安心して走行できる点がとにかく魅力といえる。

高速道路を主体とした移動で東京から富山まで546km走行して燃費が16.9km/hと、WLTCのハイブリッド高速モード燃費の16.7km/hを上回った。
546km走行後の残走行距離は45kmと表示されていたが、満タン法とタンク容量(52L)で計算するともっと走れそうな気配だった。
こちらは郊外路を中心とした一般道の燃費。郊外モードもカタログ値は16.7km/hだが、バッテリーがほぼ空だったため実燃費は14.0km/Lとなった。

雪や悪路でも安心できる4WD+アクティブグリップコントロール

今回の1400kmドライブでは山岳路も走行。舗装こそされているものの、路面状況がかなり悪い場所も。

そして、通常走行ではあまり出番がないが、アクティブグリップコントロールと呼ばれる悪路での走破性を高める制御や、低速モードも有するヒルディセントコントロールなど、本格的な悪路走破性も高くSUVとしての機能も申し分ない。

中には道路を水が流れる悪コンディションもあったが、始終不安のない走りを見せてくれた。

筆者の住む横浜市内は坂道が多く、数年に一度積雪もあるのだが、こうしたシーンでも冬用タイヤさえ用意していれば、急な悪天候でも安心して坂道の多い場所で走行できそうだ。

クルマでここまで上がることはないだろうが、取材は6月にも関わらず遠望する山の頂上付近にはまだ雪が残っていた。

ダート走行というと非日常的な感じがするが、積雪路は関東在住のユーザーでも数年に一度は直面するケースがあり、ウインタースポーツを楽しむユーザーならなおのこと、高い悪路走破性の恩恵を受けることができるだろう。

山岳路を行く最中には未舗装路こそなかったものの雪渓が残る場所も。スタッドレスタイヤまでは必要ないが路面も悪く、4WDやアクティブグリップコントロールは安心感につながるだろう。

日常使いから悪路走行、さらにはPHEVによる高い環境性能と全方位で魅力たっぷりの3008はスポーツ走行だけでなくオールラウンダーとしておすすめできるSUVだ。

メーカープジョートヨタ三菱
車名3008ハリアーPHEVエクリプスクロスPHEV
グレードGTプラグインハイブリッド4Z(E-Four)P
全長4450mm4740mm4545mm
全幅1840mm1855mm1805mm
全高1630mm1660mm1685mm
ホイールベース2675mm2690mm2670mm
車重1880kg1950kg1920kg
最低地上高175mm195mm185mm
最小回転半径5.6m5.7m5.4m
乗車定員5名5名5名
トランク容量520L〜1482L402L/408L〜1030L/1049L359L〜626L
エンジン水冷直列4気筒DOHCターボ水冷直列4気筒DOHC水冷直列4気筒DOHC
排気量 1598cc2487cc2359cc
最高出力200ps/6000rpm177ps/6000rpm128ps/4500rpm
最大トルク300Nm/3000rpm219Nm/3600rpm199Nm/4500rpm
燃料/タンク容量ハイオク/52Lレギュラー/55Lレギュラー/43L
WLTC燃費15.3km/L20.5km/L16.4km/L
モーター最高出力F:110ps
R: 112ps
F:182ps
R: 54ps
F:82ps
R: 95ps
モーター最大トルクF:320Nm
R:166Nm
F:270Nm
R:121Nm
F:137Nm
R:195Nm
バッテリー/総電力リチウムイオン/13.2kWhリチウムイオン/18.1kWhリチウムイオン/13.8kWh
システム合計最大出力300ps306ps223ps
システム合計最大トルク520Nm
EV走行可能距離64km93km57km
サスペンションF:マクファーソンストラット
R:マルチリンク
F:マクファーソンストラット
R:ダブルウィッシュボーン
F:マクファーソンストラット
R:マルチリンク
ブレーキF:ベンチレーテッドディスク
R:ディスク
F・R:ベンチレーテッドディスクF:ベンチレーテッドディスク
R:ディスク
タイヤサイズ225/55R18225/55R19225/55R18
駆動方式e-4WDe-4WDe-4WD
トランスミッション8速AT電気式無段変速機
価格710万5000円626万100円465万800円
PHEV SUVスペック比較(参考)

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著者プロフィール

井元 貴幸 近影

井元 貴幸

母親いわくママと発した次の言葉はパパではなくブーブだったという生まれながらのクルマ好き。中学生の時…