新型フォレスターのインテリアも安心・安全を可視化
新型フォレスターのインテリアもエクステリアと同様に、ユーザーに安心感を与えるタフさを重視している。横の骨格の強さとセンターコンソールを中心とした造形の力強さなどを軸としている印象を受ける。助手席前のハニカム柄のモチーフも個性的で、力感のある造形、「安心・安全の可視化」に寄与しているのは一例だ。

ドアトリムからインパネまで多角形モチーフで取り囲むことで力強さを印象づけている。新型のポイントは、まずこのドアトリムにある。デザイナーによると、SUBARUでは通常、フロントのテーマをそのままリヤに反復させる手法を採るそうだが、新型では前後でドアトリムの造形を変えたそう。

フロントは、前席乗員が包まれ感や安心感を得られるようにデザインされているという。そのままリヤに反復させると、後席乗員はDピラーまわりからフロントドアトリムのテーマが反映されることになり、必ずしも同じ価値を提供できない(包まれ感や快適性などの価値)という考え方に基づくものだという。

リヤシートならではのくつろぎを実現するため、前後ドアトリムのデザインテーマを変えたという。なお、この手法はすでにクロストレックで採用されていて、クロストレックではドアトリムの表皮が未設定であるため、伝わりにくい面もあったが、新型フォレスターではドアトリムに表皮が用意されているため、分かりやすくできたという。確かにリヤドアトリムは、フロントドアトリムから連続した造形ではなく、前後別々のデザインが与えられているのが分かる。

また、シートやインパネなどのステッチワークもシングルステッチでしっかり合わさったところを縫っていくことで、単なる加飾ではなく、安心感を可視化したそうだ。

なお、ドアトリムやガラス、荷室のトリムなどの室内と荷室に等高線や望遠鏡、鳥が飛んでいたり、足跡があったりするなど、プロテクトパターンが随所に配されている(サンルーフのなしが9か所、サンルーフありが10か所)。質実剛健なイメージのあるSUBARUらしからぬ!? 遊び心といえるかもしれない。


たとえば、テールゲートに等高線のモチーフが配されていて、これは荷室内側のキズを防ぐだけでなく、テールゲートを開けて荷室に腰かけた際に上を見上げると等高線とコンパス(方位磁石)のデザインモチーフが目に入ることで、登山やアウトドア気分を盛り上げてくれるはずだ。

フロントシートの造形も特徴的で、正面から見ると背もたれのショルダー部が左右非対称になっているのが分かる。これは、前後席のコミュニケーションを考えた結果、座り心地や乗り心地に影響を与えない範囲で、背もたれのショルダー部を10mm削ることで、前後席間の隔絶感を抑え込んだという。後席から前方を眺めた際の視界の良さに寄与している。

上質感を重視した「Premium」は、グレー/プラチナ(ブルーステッチ)の撥水ファブリック/撥水トリコットシートのほか、ブラウン&シルバーステッチもしくは、ブラック/ブラック(ブラウンステッチ)のナッパレザー/ウルトラスエードをオプション設定。

アウトドアが似合う「X-BREAK」は、グリーンステッチの撥水性ポリウレタン/合成皮革シートをはじめ、ダークグレー(グリーンステッチ)/シルバー塗装/ブレイズガンメタリックの内装色と加飾を組み合わせている。
ブロンズ塗装の加飾やアルミホイールが目を惹く直噴ターボ搭載車の「SPORT」は、ブロンズ塗装の加飾をインパネやドアトリム、シートなどに配置。シートは、ウルトラスエード/合成皮革のコンビで、シートカラーはブラック/グレー(ブラウンステッチ)となっている。